見て、感じて、考えて――中学生が出会った「土佐清水の力」【TheMana Village編】

清水の魅力を知り、広める はじめの一歩

 中学2年生は、土佐清水のよさを、”地域の力”として働くかたちに変えていくため、まずはその魅力を実際に見て、感じて、知ることから始めようと、地域の企業や団体のご協力を得て訪問させていただきました。今回は、「TheMana Village」さんでの体験をご紹介します。

清水の魅力を届ける、リゾートの現場から

 TheMana Villageさんでは、生徒はグループごとに分かれ、フロント、レストラン、清掃、売店、そして働く方へのインタビューなど、それぞれ異なる立場で体験をさせていただきました。どの体験でも共通して感じられたのは、「お客様のことを第一に考える」という姿勢。そして、その根底には、土佐清水という土地への誇りと、訪れた人にその魅力を伝えたいという強い思いがありました。

フロントスタッフ体験

第一印象を大切に
 フロント担当の方からの、「第一印象が大事なので、笑顔を忘れずに」という言葉が印象に残りました。短い時間のなかでも、お客様に安心感や心地よさを届けるために、言葉だけでなく、表情や声のトーンにまで気を配っていることを学びました。

スタッフの方へのインタビューより

移住者から見た清水の力

  東京から清水へ移住してきたスタッフの方が、「空港を出た瞬間、空気の違いに驚いた」と話してくれました。その言葉から、生徒たちは改めて土佐清水の自然の豊かさに気づかされました。普段は当たり前のように感じているこの空気や景色、静けさ――。しかし、都会から訪れた人にとっては、それこそが特別で心に残る「清水の力」なのです。 

この言葉は、生徒たちに「自分たちの暮らすまちの価値は、自分たちでは見落としていることがある」ということを教えてくれました。地域の外からの視点を知ることで、清水の魅力を再認識するきっかけとなりました。

レストランスタッフ体験

気づかない“おもてなし”の工夫
 レストランの体験では、料理を運ぶだけが仕事ではないことを学びました。たとえば、お客様が料理を食べ終えたタイミングをさりげなく見計らって次の一皿を出したり、コップの水が少なくなっていることに気づいて静かに注ぎ足したり。そうした行動のひとつひとつには、お客様に心地よく過ごしてもらいたいという思いやりが込められていました。
 「空気を読む力が必要だよ」と教えてくれたスタッフの方の言葉に、生徒たちははっとしました。お客様の様子をよく見て、今何を求めているのかを感じ取る、それは簡単なようでいてとても奥深く、人と関わるすべての仕事に共通する大切な力です。
 体験を通して、生徒たちは接客の裏にある気持ちや気配りに、初めて気づくことができました。お客様の目線に立って考えることの大切さを、レストランという舞台でしっかりと学びました。
 こうした気づきは、これから自分たちが清水の魅力を発信していくうえでも、大きな力になります。ただ自分たちが知っていることを伝えるのではなく、「相手にどう届くか」を考えながら表現する――そんな伝え方を意識するきっかけとなりました。

客室清掃体験

見えない努力が支える快適な空間
 客室清掃の体験では、限られた時間のなかでスタッフの方々が一つひとつの作業を丁寧に行う姿を間近で見ることができました。シーツの端をまっすぐに整え、枕の位置や角度までそろえる。浴室の水滴をきれいに拭き取り、ゴミ一つ残さないように気を配る――。
 私たちが普段「きれい」「気持ちがいい」と感じている空間の裏には、こうした目には見えない細かな仕事が積み重ねられていることを実感しました。
 スタッフの方から「掃除は時間との勝負だけど、雑にしてはいけない」と教わったことも印象的でした。ただ効率よく片付けるのではなく、どんなお客様が泊まっても気持ちよく過ごしてもらえるように、細部まで気を配る、それが“おもてなし”の心だと感じました。
 客室を清掃する過程で、生徒たちは人に「快適さを届ける」という仕事の価値を学びました。そして、自分たちが清水の魅力を伝えていくときにも、細かなところに心を配る姿勢が大切だと気づきました。情報を発信するだけでなく、どんなふうに伝わるかを考える視点をもつ――そんな丁寧さが、地域の力を届けていくための一歩になると感じたようです。

客室見学

デザインに込められたメッセージ
 従業員の方がプロデュースしたという客室も見学させていただきました。たとえば、暖炉のようなデザインを中心に据えた部屋では、壁の色をあえてシンプルにすることで、入室した瞬間に視線が自然と暖炉に向くよう工夫しているそうです。視覚の流れや落ち着きのある色使いが、宿泊者の心をやさしく包み込むように感じられました。
 また、部屋ごとにテーマがあり、それぞれに異なる個性と物語が込められていました。快適に加えて、海の魅力を最大限に感じられるように設計された窓の配置、自然素材を取り入れた家具、柔らかな照明など、どの部屋にも「この土地で過ごす特別な時間を、より心地よく」という想いが反映されていました。客室という空間を通して土佐清水の自然や空気感を伝えようとする静かな気配りが感じられました。
 伝える手段は、言葉や映像だけではない。自分たちのまわりにあるもの――空間や形、色や配置、その一つ一つにも、人の想いや意図が込められていることに気付くことができたようです。
 

体験を終えて

学びを行動へ
 「海がきれい」「空気がおいしい」「魚が美味しい」といった、私たちにとっては当たり前のことも、外から来た人にとっては特別な魅力になること、そして、見慣れたものを見つめ直すと込められた意味や思いに気づくことができることに気付いた生徒たち。
 この気付きを出発点に、2学期は清水の魅力を丁寧に見つけ出して地域の力としてはたらくかたちにしていきます。

太平洋を感じながら、みんなでランチタイム

 体験の最後には、2年生全員がザマナビレッジ内のレストラン「Azzurrissimo(アズリッシモ)」に集まり、昼食の時間をともにしました。目の前に広がる太平洋と一体になった開放的なテラスが印象的なこのレストランで、特別にピザとベイクドケーキを試食させていただきました。 

 どちらも見た目から心が弾むような一品。生徒たちからは「ピザの生地がもちもちしていておいしかった」「ケーキがしっとりしていて幸せな気分になった」といった感想が聞かれました。足摺の景色と風に包まれながらのランチタイムは、日常とは違う特別な時間となりました。

 学びや気づき、そして心がほどけるような楽しい時間――この日のすべてが、生徒たちの心にしっかりと刻まれた一日となりました。


 ご協力いただいた企業・団体の皆様、ありがとうございました。