令和4年度 今ノ山における風力発電計画について
私は現在、土佐清水市から三原村にかかる今ノ山と、その周辺の山林における風力発電計画について質問します。 まず私は、この計画は土佐清水市には必要ないと考えています。 土佐清水市みんなでまちづくり条例の第5条には、自然の恩恵を受け、深刻な問題となっている地球温暖化や行き過ぎた開発など市民共通の課題とし、自然と調和した持続可能なまちづくりを目指すといった内容のことが定められています。
この今ノ山における計画は、行き過ぎた開発にあたり、市民の自然が損なわれてしまうと思います。
また、山を切り開くことによって、自然災害の拡大を招く恐れもあります。
さらに、風力発電は再生可能エネルギーと言われていますが、この風力発電施設の運用期間は20年しかなく、運用終了後の風車の撤去についても不明なので、将来に大きな不安を感じます。 これらの点を含め、この計画についてどのようにお考えでしょうか。
具体的な対策などがあれば教えていただきたいです。 このように、大規模に山を切り開いてまでする発電ではなく、土佐清水市の自然を生かす発電について考えておられることはありますか。 例えば、川を使った小水力発電や、全く新しい発電方法の開発などを行うことは、土佐清水市の独自性を図る上で大切だと思います。 売電のためではなく、地域のエネルギー自給を目指した発電方法について検討しておられることがあったら教えてください。
(回答)
今や、世界は地球温暖化対策に世界全体で取り組んでいくこととしており、 日本も2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを2020年に宣言いたしました。
これは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林・森林管理などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにするということを意味しております。
今回ご質問の風力発電計画は、発電に自然の力を使い、二酸化炭素を排出せず、環境に負荷のかからない自然再生エネルギー資源として注目が集められ、 地球温暖化防止対策にも効果があるとして、今ノ山風力合同会社が設置計画を進めているものであります。
最初に、風力発電機を設置することにより、行き過ぎた開発で清水の自然が損なわれてしまうのではないかについてお答えいたします。
この計画は、行き過ぎた開発であることを前提としたご質問と受けますが、まさに行き過ぎた開発とならないために、事業者が環境影響評価法という法律に基づき、環境影響評価、調査・計画検討・評価を進めています。
環境影響評価法では、住民に対する説明会を義務付け、そのうえで県や国の専門家による審査会を経て、県知事及び環境大臣の意見を踏まえ、経済産業大臣が勧告をし、 その後の評価書により確定通知、これは環境影響評価上の許可となりますが、この許可が出され、厳しい審査を経なければ実施できないこととなっております。
清水の自然が損なわれてしまうとご心配されていますが、こちらは事業者が法に基づく手続を進めている中で、対策を実施することになると考えており、 市としては法手続を進める中で内容を注視し、必要があれば法に則り、知事から意見を求められますので、そこで市長意見書として提出することになります。 自然を損なわないための具体的な対策につきましては、これまでの事業者からの報告では、既に整備された林道や作業道を使用し、 新たに一から整備する道を必要最小限にすることや、風車一基あたりの発電機能が大きいものを採用し、設置機数を少なくすることなどにより、 開発を行う面積自体を極力小さくするなどの対策をしております。
次に、山を切り開くことによって土砂災害の拡大を招くおそれもあるについてですが、 このご質問についても現在、環境影響調査を実施中ですが、 事業予定地の山は全て国有林で、国有林を借りる場合には、計画が土砂災害につながらないように、 気象条件も踏まえた適切な工事方法や対策が施されているか確認されたうえで、国の許可を受けることになります。 その許可を取得するためには、いくつもの対策が必要になりますが、 危険な急傾斜地を避けることや、土砂がそのまま流出しないように、沈砂池と呼ばれる池を設けて、且つそこから勢いよく流出しないように、「しがら棚」や「ふとん篭」という緩衝材となる設備などを設けると伺っております。
国内では、既に多くの風力発電設備がありますが、 本市近くの風力発電施設も含めて、風力発電施設が原因で土砂災害を起こした事例はないと伺っており、 計画が進んでいく中で、適切な対応が取られているかどうかを市としては注視し、 必要に応じて法に則り、適切に対処したいと考えています。
次に、運用期間は20年しかなく、運用終了後の風車の撤去については不明なので、 将来に大きな不安を感じるとのご指摘ですが、運用終了後の風車の撤去は事業者側が全て責任を負っております。 現時点で予定される施設の運用期間は、FIT、再生可能エネルギーの固定価格買取制度、 適用期間の20年です。FIT認定の条件として、 事業者には経済産業省から撤去費用の積立が義務付けられております。
また、事業予定地と国有林を借りる際には、林野庁より事業終了後に設備をすべて撤去し、 植林をした上で土地を返すことが義務付けられています。 これをしっかり守らなければ、開発の許可はおりません。
設備自体は20年で壊れてしまうわけではありませんので、 FIT機関が終了しても、2050年のカーボンニュートラルに向けて事業が継続されることも考えられますが、 いずれにしても、運用終了後の撤去は、事業者が積み立てた費用で責任をもって実施することになっており、 そのまま風力発電施設が取り残されることはありません。 先にふれましたが、風車が建設されることによって環境にどのような影響を及ぼすかを環境保全の関係から調査することが法律により義務付けられております。
法に基づいた調査を事業者が実施しており、新聞折り込みや市広報ほかでご存知と思いますが、 事業に係る環境影響評価を行った結果などを記載した専門的な図書となりますが、 環境影響評価基準書を6月29日から7月29日まで市役所及び事業者のホームページで縦覧ができます。 準備書をご覧になっていなければ是非ご覧いただきまして、ご意見がありましたら 8月12日までに市役所の縦覧場所に設置の意見箱に投函するか、直接事業者に郵送して率直なご意見を伝えていただければと思います。 この寄せられたご意見を事業者は準備書の次に作成される評価書に必要に応じて、その内容の修正を行うこととなっております。
小水力発展のご提案もありました。脱炭素2050年のカーボンニュートラルによる地球温暖化防止の実現に向けた、持続可能な再生エネルギーの導入は必要であると認識しており、自然を生かした地域での自給エネルギーによる発電方法の検討も必要であると考えております。
今回いただきました貴重なご質問内容、思いつきなどにつきましては、事業者の方にしっかりとお伝えさせていただきます。
最後にここに居られる皆さんにお願いがあります。 近年、世界各地では猛暑や豪雨など地球温暖化、気候変動が要因とみられる異常気象による災害が多発しております。 国内・県内でも巨大台風、集中豪雨などにより各地で甚大な被害が発生するなど、気候変動の影響が顕在化しております。 各家庭で一人ひとりが普段の生活の中で二酸化炭素、CO2の排出量を削減することが可能で、取組はたくさんあります。 例えば、身近なもので、ごみの減量やリサイクル化、買い物時のマイバッグ持参、こまめに電気を消す・コンセントを抜く、 徒歩・自転車を利用した近隣移動、食品ロスをなくす、照明のLED化、エコ家電の購入等が一例です。 ぜひ、自らが率先して積極的に実践していただければと願っております。

提言を実現に近づけるヒントや行動の例
◆地域が納得する再エネ計画へ
①計画内容の正確な把握を行う。
・環境影響評価の縦覧期間中に資料(基準書や準備書)を実際に確認する。
・工事計画、風車規模、立地条件、工事方法などを分かりやすくまとめる
②地域住民の声を集める。
・アンケートを取り、「賛成」「懸念」「改善案」などを整理する。
・高齢者、漁業関係者、観光業者など、立場ごとの意見を可視化する。
③アンケートであがってきた懸念点の裏付け調査を行う。
・他地域の風力発電での土砂災害・景観・騒音などの事例を調べる。
・ほかの地域の国有林や林道を使った風力発電や工事で、どのような安全対策をしているのか調べ、今回の計画と比較する。
⑥代替案・併用案の検討を行う。
・小水力発電、太陽光、バイオマスなど地域資源を生かした再エネとの組み合わせ
・自然景観や観光への影響を抑える立地・規模案
⑦市への具体的提言の形にまとめる
・「自然保全」「災害防止」「撤去・再植林の担保」「地域合意形成」の4つ視点で整理

